Project for Liberation from Modern Slavery(奴隷解放プロジェクト) 基調

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「お金のために働いてるのか、働くためにお金をもらってるのかわからなくなった」―これは、あるジャバスタメンバーの先輩(新卒で就職し、その年に会社を辞めた)が発した言葉である。私たちはこの言葉を胸に刻み込まなければならない。この言葉には、おそらく本人の意思をも超えた、深みと、そして鋭さがある。

この言葉は、図らずも賃労働の本質を突いてしまっている。資本主義社会において、私たち労働者は人間ではない。商品、労働力商品である。資本家が私たち労働力商品を買い、財を生産しサービスを提供する。生産の主体は労働者ではなく資本(家)である。労働者は自らの商品としての使用価値を保つため、メシを食い、身だしなみを整え、健康を維持し、スキルを獲得・維持していかなければならない。つまり「働くためにお金をもら」わなければならないのである。

もちろん一方で「お金のために働く」存在でもある。賃金を稼がなければ、その先に待っているのは、飢餓だけでなく、侮蔑の言葉であり、社会的排除である。

「労働力の売却を唯一の生計の道とする労働者は、自分の生存を断念することなしには、全購買者階級すなわち資本家階級を見すてることはできない。かれはあれこれの資本家には属しないが、しかし資本家階級に属する。そしてその際、自分を片づけること、すなわちこの資本家階級において一人の買手を見出すことは、彼の仕事である」(マルクス『賃労働と資本』)

19世紀のマルクスのこの言葉は、21世紀を生きる私たちの実感だ。私たちは「働く」ことを強制されている。私たちのこの弱みにつけ込み、リクルートやマイナビは「生きがい」という幻想をふりまいて、私たちを就活へと、強制された労働へと、現代の奴隷制へと追い立てる。

私たちは断言すべきだ。賃労働は奴隷労働であると。これは前提であり、出発点である。賃労働がつらいのは、それが奴隷労働だからである。就活がしんどいのは、それが自らを奴隷として奴隷主に売り込む行為だからである。「自分を片づけること、すなわちこの資本家階級において一人の買手を見出すことは、彼の仕事である」この言葉をもう一度思い起こそう。

一方で、現実として私たちは、たとえ奴隷労働であっても、奴隷になりさえすれば生存が保障されるのであれば、奴隷の地位に甘んじるかもしれない。そういう人が大半であった時代も、ごく限られた一時期ではあったが、あった。しかしそんな時代はもはや遠い過去である。オイルショック、バブル崩壊、リーマンショックを背景としつつ(しかしそれを直接の原因とするのではなく)、新自由主義(ネオリベラリズム)と称される改革によって、雇用は不安定化し、それに対応すべきセーフティネットは見る影もなく、社会の富は貧者から富者へ逆再分配されている。

私たちは、奴隷になってさえ生きられない時代にいる。
この事実から導き出される結論はただ一つである。

「奴隷解放」
私たちはここから始めよう。

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補足①:私たちの奴隷状態は、賃労働の間だけにとどまらない。日常生活においては、商品に対して従順な消費者であることを、そして時には債務者になることを要請される。大学生活においては、企業(大学では“社会”と詐称される)が要請する“社会人基礎力”なるものを身に付けることを要求され続ける。私たちの生活全般が企業や商品に隷属させられている。

補足②:労働者の定義としては、賃金労働者だけではなく、家事労働者や失業者も含めるべきだ。家事労働は主に女性に押し付けられているが、かれらは労働力商品である夫や、次世代の労働力商品である子供の(再)生産を行なっている。また資本に「使い潰され」国家からも見放されたかつての労働力商品の世話もする。それに対する賃金は不払いの状態で。また、資本主義社会は常に失業者を必要としてきた。日本のかつての高度成長期でさえ、山谷や釜ヶ崎などの都市スラムには常に潜在的な失業者がプールされていた。「労働者」から「失業者」を切り捨てるわけにはいかない。失業者は潜在的な労働者であると同時に、賃金労働者は潜在的な失業者であると言っていい。

 

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