就活の闇とは-就活終了に際して

hadasinogen[1]

文責:会長

おかげさまで内定を獲得することができ、就職活動を終えることができました。実際に就活を始めてみるとやはり就活は事前情報通りの嘘と欺瞞にあふれた場所でした。自身が参加した上で感じた就活の問題点について書いてみたいと思います。

・「企業に選ばれる人材になれ」というマインドコントロール。

就活中やたらと「企業に選ばれる人材になるためには~」のような感じの煽り文句を見かけます。もちろん選考が存在する以上そこには企業による就活生の選択があるはずであり、そういう意味では正しいかもしれません。

しかし、働くということは人生における一大イベントです。「選ばれる人材になるため」に自分を偽り、表面的に企業に選ばれる人材になったとしても実際に働き始めれば企業と自分とのミスマッチに悩むハメになります。むしろ「自分に合う企業はどこか」という主体的視点で就活は行うべきです。そもそも法的な観点からも労働者と企業は対等な立場のはずです。「雇ってもらっている」や「働かせていただいている」わけではないはずなのですが、就活ではそれに反した自分を卑下するマインドを植え付けようとしています。私の友人は「人事の人に自分のことを後輩にしたいと思ってもらえただろうか」と本気で心配していました。

就職予備校やキャリアセンターではES(エントリーシート)の記入にあたって「君の志望理由は○○だからもっと☓☓した方がいい」とか「自分の長所が○○ってのは弱いよ」なんて指導をしてたりします。志望理由や人格的長所は働く上での最も重要な要素であるはずです。それを粉飾し、あるいは捏造することを求める、こんな就活で若者の人生を左右するとはおぞましいことだと思います。そんなことをやってるから新卒の離職率が高いのでは?と思わざるを得ません。

・「就活ビジネス」による学生の商品化

就活においてはマイナビやリクナビなどのいわゆる就活ビジネス企業の「就職情報サイト」を利用することになると思います。

当たり前ですが、これらの企業は「学生を支援する社会貢献性の高い企業」ではありません。私はマイナビの会社説明会に行ったのですが

「私達にとってのお客様とは学生ではなく企業様です。学生を就職させてお金をもらうのが私たちの仕事です。」と平然と言い放っていました。(だから彼らは絶対に学生のことをお客様とは呼びません。)

マーケティング・プランナーの谷村智康氏が書いた就活についての文章が大変参考になるので引用しようと思います。就活ビジネスにとっては学生をとりあえず内定させて企業から金を引っ張れればよいわけで、結果として仕事を辞めたら辞めたでまた転職ビジネスのターゲットになるということでしょうか。

就活ビジネスは、新卒を一人「納品」すると、50万円程度の売り上げになる。
大学4年生が60万人として、3000億円の巨大市場が、GW前後の1ヶ月かそこらで片づくのだから実においしい話だ。
それに、就活で安定した就職が実現すると、人材産業は困ってしまう。
就活を事業としている会社は、ほぼ例外なく、第二新卒(最初の就職先を短期で辞めて、別の会社に就職すること)や転職ビジネスを手がけているので、それらのビジネスチャンスがなくなってしまうからだ。
就活による就職は、失敗するようにマーケット設計されているとも言える。

学校は、就活ビジネスの実態を知っているが、離職率の高い企業への就職であっても、見て見ぬふりをする。
とりあえず「高い就職率」と大学のパンフレットに書きたいからである。

週刊金曜日08.7.25(712号)より引用

よく、就活情報サイトでこのような表示を見かけることがあると思います。

就活ビジネス

彼らは学生を就活に駆り立て、大量にエントリーさせれば儲かるわけです。普通に考えればわかりますが、平凡な大学生が就活を始めた途端に急に大量の、数十社の企業に興味をもつのか?どう考えても不自然ではないでしょうか!

このような就活ビジネスが学生を惑わせ、必要以上に就活へと駆り立て、我々学生を踊らせているのであり、彼らの言うことを余り真に受けないほうがいいと思います。

・そもそも公平な競争ではない。

面接やGDなどの選考の大部分や説明会などは大阪や東京などの大都市で行われ、選考が進むと(最終面接など)ほとんどが東京で行われます。私は大阪に住んでいますが、東京までの交通費が一回2万円ほどかかる状況で数回東京まで行かねばなりませんでしたし、地方に住んでいる学生や、就活ビジネスに踊らされまじめに就活をやっている学生はもっと高額な交通費が必要となるでしょう。就活にかかった費用が20万円以上、というのも珍しい話ではありません。

これはつまり「それだけのお金がある人しか就活競争に参加できない」という事を意味します。働きながら大学に行っている苦学生、家庭の経済状況が苦しく就活費用を捻出できない学生、彼らは就活で勝負することすらできないのです。学費すら捻出できず奨学金を借りている学生が多い中で、「就活に金をかけろ」というのは酷な話ではないでしょうか。

就職活動とは学生が働く場所を見つける活動と言うよりは「企業が営利追求の過程で採用活動を行う場所」です。また、学生が就職する、仕事を見つけるという行為自体は非常に公共性・社会性の高い行為であり社会にとって必要不可欠な営みであり、採用企業側や就活ビジネスも学生の就活によって利益を得ているのです。にも関わらず就活のために発生するコスト(学生の交通費や労力や時間)は全て学生が負担しなければなりません。

もっと言うと、学生の不安を煽り就活に駆り立て、金やコストを使わせ、企業はその中から利益を上げているのです。どうして利益を得ている人間がコストを負担しないのか?もっと言えば弱い立場の学生に交通費等を負担させ、それが「当たり前だ」と思わせているのです。むしろ給料もらってもいいくらいです。

私は「学生が自社の選考に来る際の交通費は全部自社で負担しなければならない」といった法規制が必要だと思います。どうして学生の不安心理につけこんだコストの転嫁が社会的に糾弾されないのか不思議でなりません。

現在の資本主義社会は競争社会であると言われますが、これは「機会の平等が担保されている」ことを前提としたものです。現在の就活は金や時間を使えない人は参加できない不合理なものだと思います。

・結論:私たち学生はどう就活を乗り切ればよいか。

  • 情報に踊らされ過ぎない-就活ビジネスは学生に就活させて商売をしています。従ってそこが発信する情報も学生のための情報ではありません。
  • まじめに就活をしない-みなさんは大学受験は何校受験しましたか?おそらく多くても10校くらいかと思いますが、どうして就活ではそれの何倍もの数のエントリーをするのでしょうか?不安かもしれませんが大量にエントリーしても労力が増えるだけであり内定の率が上がるわけではありません。量より質という言葉もあります。何社もエントリーさせることによって就活ビジネスが利益を上げていることを忘れてはいけません。(うちのサービスを利用したらこんなにたくさん学生がエントリーしましたよ!となれば就活ビジネスに対する評価につながる)
  • 発想を変える-「企業に選ばれる人材になる」という発想では自分にあった職場は探せません。「こっちが企業を選んでやる」くらいの気持ちで就活をし、落ちても自分に問題があったのではなく「縁がなかった」という程度に考えることです。就活は個人の優劣や資質を見るものではありません。そんなことで精神を病んだり死ぬことはありません。というか就職だけが人生ではないと思います。
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就活の闇とは-就活終了に際して」への2件のフィードバック

  1. >「学生が自社の選考に来る際の交通費は全部自社で負担しなければならない」といった法規制が必要

    さすがに甘え過ぎwもしあなたが起業家だとして
    「面接の交通費は企業が負担するのが当たり前ですよね?」
    と言ってくる上から目線の学生と
    「交通費なんてとんでもない、働かせて頂けるだけで光栄です!」
    と目を輝かせている学生のどちらを採用しますか?
    そういう他力本願の考えの学生が多いから
    リクルートみたいな糞企業がのさばるのですよ^^

    • まさに社畜精神
      「有給休暇なんてとんでもない、働かせて頂けるだけで光栄です!」
      「残業代なんてとんでもない、働かせて頂けるだけで光栄です!」
      「最低賃金なんてとんでもない、働かせて頂けるだけで光栄です!」
      「福利厚生なんてとんでもない、働かせて頂けるだけで光栄です!」
      どこのワ◯ミですか?

      こうして労働基準法違反の労働環境がまかり通っていくんですよね。

      そもそも「利益を得ている側がコストも負担しろ」という主張は一般的な応益負担の原則の再確認であり、甘えでも何でもないと思いますが。

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